2010年1月1日金曜日

シャア・アズナブル


 シャア・アズナブルはアムロ・レイのライバルでもあるのですが、シャア・アズナブルという名前は実は偽名です。彼は、ジオンの創始者ジオン・ズム・ダイクンの息子で本名をキャスバル・レム・ダイクンといいます。彼がなぜ素性を隠さなければならなかったのか。それは、父ジオンがザビ家に暗殺されたからです。そして、彼はもはやザビ家のものになったジオン公国に潜入し、父の復讐を叶えんとするのです。士官学校時代からの友であるガルマ・ザビを葬ったことをはじめザビ家への復讐は成功しました。

 シャアは士官学校時代かなり御出来になる子で才色兼備なイケメン野郎でした笑。そんなイケメンの彼も弱点がありました。それは幼少期に母と生き別れになり、母親の愛を得られなくて母性に飢えていた事。彼は、先の大戦(一年戦争)でララァ・スンをニュータイプのパイロットとして見出すと同時に、母親と重ねていた部分もあった。しかし彼女は、アムロともニュータイプ同士のテレパシーで一瞬に分かり合ってしまいます。戦場でお互い敵同士なのに分かりあってしまうアムロとララァ。シャアは2人に関係に嫉妬します。そんな折、ララァは2人のいざこざに巻き込まれ死んでしまいます。大切な人を失った悲しみを背負い生きるシャア。また、アムロも分かり合えた人を失い絶望します。彼らは同じ悲しみを背負いながらまったく別の道を歩んでいきます。

 その後シャアは地球に降りて地球の政治の腐敗を目の当たりにし、失望します。そして自分の身分を明かしジオンの残党を率いて地球に住むものは自分たちのことしか考えていないと断言し、地球に対して隕石を落とし地球に住むものたちを根絶やしにしようと画策します。それに対してアムロはシャアを止めようと立ち上がります。結局勝負はアムロの勝ちになるのですが・・・。
 
 事実、シャアは本当に不幸な生い立ちをしてきたのだなと考えさせられます。早くに両親と別れ、復讐のために仇の傘下に入り、大切な人ララァを失う。そして地球に住む人々みんなを敵に回し、最後はライバルに敗れる。完全に負け犬や業の人という感じですが、実は私はそうは見ていません。彼の性格、資質、才能からそんな愚かな人物ではないと思います。彼はアムロの実力を買い、彼なら地球に住む人々に人の心の光を見せられるのではないかと思った。自分では敵わないことは当然熟知していたと思います。また、彼は人類に絶望もしていなかったと思います。なぜなら、彼はニュータイプであるアムロとララァが分かり合うのを間近で見ていたから。
 彼は地球の人々の腐敗を見て、人類に人の心の光を見せる必要性を感じた。そして自分の立場で人類に人の心の光を見せるにはどうしたらいいかと考えた。だから、自分は道化となり悪となった。アムロが地球を救ってくれると信じて。シャアの反乱のシナリオはすべてシャアが書いた通りになったのだと私は思います。

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