2019年8月11日日曜日

『LIFE SHIFT』 を読んで 前編


 先日LIFE SHIFTという本を読んだのですが、その本の紹介込みの感想を書きたいと思います。

 現在日本の平均寿命は85歳前後であるが、平均寿命は過去200年ほどの期間右肩上がりできました。1840年以降、データがあるなかで最も長寿の国の平均寿命は1年に平均3ヶ月のペースで上昇しています。10年ごとに2~3年ずつ寿命が伸びている計算です。そうなると、2007年に生まれた子供の半数が107歳より長く生きると予想されます。
 最近のニュースでも100年時代に突入するという内容の記事がよく出ますが、この本は過去の統計結果から、100年時代に突入する可能性が高いことを示唆しています。そうなると様々な問題が指摘されると思います。お金や勤労や結婚生活などがその最たるものであると予想されます。

 長寿化に伴う大きな問題のなかでも、お金を例に挙げて深堀していくと100歳まで生きた場合65歳で勤労を終えようと思うと、35年の引退期間が存在します。老後の生活資金を最終所得の50%毎年必要と計算すると、公的年金10%を加味して考えても、就労期間44年間ずっと将来の生活資金として年25%貯蓄しなければならなくなります。所得が400万円のひとは年に毎年100万円貯金しなければならなくなる計算です。実際にできる数字では到底ないように感じます。独身者ならともかく、持ち家で子持ちの家庭はかなり難しいと思うことでしょう。貯蓄金額を無理のない年10%にしようと思うと、85歳まで働かなくてはならなくなります。気が滅入る未来図に思えてしまいますね。

 今後の雇用環境の変化も、生き方を次第に難しくすると考えられます。数十年のもすれば新しいテクノロジーが登場し、成長する産業と衰退する産業がはっきりしてきます。新しい職種が生まれると同時に、既存の機種に取って変わる可能性もあります。長い勤労期間の間に劣化するのは知識とスキルだけではありません。大切な人たちとの関係も脅かされる恐れがあります。ずっと同じパートナーと過ごしていくにはより強固につながって、柔軟に相手の意見に合わせないといけないと思われます。80歳を超すまで休憩もなく、柔軟な働き方もせず、ノンストップで働き続けられる人などいるのでしょうか?

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