2019年9月1日日曜日

孔子の弟子 『曾参』

 孔子の弟子シリーズ2つめは曾参です。彼は、孔子から『考』(親孝行)の道に秀でており、考についての考え方は孔子よりも優れていると言われたほどです。また、彼は学識も優れており孔子や顔回とともに学問の話をよくしていたと言われています。彼は親孝行の性格でよく知られていますが、こんなことわざも作られています。彼の母親は曾参のことを信用していたのですが、曾参の使いのものから曾参が人を殺したという話を聞かされます。彼の母親はそれは嘘だろうと一度は思ったのですが、何度も何度も同じことをいう人がいたので、とうとう信じてしまい、慌てふためいたそうです。実際は曾参の親戚が人を殺したみたいだったのですが。
 その事から「曾参、人を殺す」という言葉は、あまりに信じがたい嘘でも何度も言われると信じてしまうこともあるという例えになっています。そのような説話になるほど当時の人々にとって曾参が親孝行ということが知れ渡っていたということになります。
 孔子も彼のような賢く、親孝行な若者を好んでいたようで、孔子の孫の子思は彼に従事していたと言われています。余談ですが、子思に従事したのが「性善説」を書いた孟子です。曾参も後に曾子となり、朱子学の4聖と言われるようになります。孔子も実の母親が亡くなったときに、父親と同じお墓に入れてほしいと遺言で頼まれていたのですが、父の墓の場所がわからなくて、棺の中に母の亡骸を入れたまま何日も歩き回ったという逸話があります。そんな、親孝行の2人だからこそ話が合うところもあったのも知れませんね。

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